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第119話 景都は、否定しなかった

Author: 花柳響
last update publish date: 2026-09-27 06:00:44

「何も言わなくていいし、予定も合わせなくていい。自由なんだよ。実際、楽な時間もある」

 灯は空芯菜を噛みながら、「ならいいじゃん」とだけ言う。

「でも、静かすぎる時がある。……たぶん、寂しい」

 勝ち誇った顔も、励ます顔もしなかった。

「会わない方が楽な日と、会いたい日は別にあるでしょ」

「恋愛相談には答えないんじゃなかったの」

「一般論。あと、春雨を残すなら最初から頼まないで」

 春雨を置かれ、話はそこで終わった。

 食後、灯が仕事用のタブレットをこちらへ向ける。

「追加のメール、開いた?」

「まだ」

「会社にも来た。真帆の映像とmellow noteの撮影風景を使いたいって」

 画面には、制作会社から届いた企画概要があった。

 瀬名莉子の死から半年。番組が保管している未公開映像を含め、一時間の追悼配信を作るという。

『悪女と呼ばれた女性の、本当の三十日間』

『出演者と遺族の尊厳へ最大限配慮する』
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